初のブログ投稿です。いい話です。
むかし消費税の導入に大きく関与したと言われる経団連が、結局それは自分たちの首も絞めることだったという非常に興味深い報告書を発表しています。
いま大転換が必要なのだと。
素晴らしいレポートで、勉強になりました。
内容を以下にいくつかピックアップ。
- キシダノミクスの成功には財政の単年度主義をまず脱する必要がある。
- 新しい資本主義は、規制緩和を含むコスト削減中心の改革から、政府の投資中心の改革へ転換する。
- 財源は主に国債で、必ずしも増税や他の支出の削減が必要であるとは考えず、政策の実行が最優先
- 足かせとなる不毛な財源論からは距離をおく
- これまでは、「限られた財源の中で、いかに持続可能な制度を構築するか」というのが、大目標であった。しかし、政府に財源問題はない。真に限界があるのは実物資源なのである。
- このように議論の前提が大転換するのであれば、改めて制度のあり方を抜本的に見直さなければならない
- 1990 年代以降の日本における中間層の解体にあたって、長期にわたる経済停滞が及ぼした影響は大きい。同時期の階層構造の変化を生産技術の変化に求める議論も少なくないが、サプライサイドのみで状況を説明しつくすことはできない。
- 誤解を恐れず要約すると、人口は経済成長率に対してそこまで強い影響を与えるわけではない。土地や生産資源、または収益性のあるプロジェクト等が限られている場合、人口増加は一人当たりの生産量(GDP・所得)をむしろ減少させる。
- 望むと望まざるに関わらず今後1世紀近くにわたって日本の総人口は確実に減少していく。そのなかで全ての地域が人口増を目的において競争を続けることは、いずれの地域にとっても幸せな結果をもたらさないであろう。
- 安価な労働力としての外国人受け入れは経営環境の改善につながることもあろう。しかし、外国人労働者の受け入れが機械化・自動化にむけての投資を阻害する効果があること、長期定住の際に生じる社会的費用に企業がフリーライドすることになるのもまた確かである。外国人労働者・移民の受け入れは目先の労働力確保や人口維持の観点からではなく、地域資金循環に資する人材の獲得という視点から論じられていくべきであろう。
- 日本国内における地域間の財政平衡の中核を担うのが地方交付税交付制度である。しかしながら、地域経済循環の現状や交付制度に鑑みると、同制度は期待される効果を果たしているとは言えない。
- 地方に不足しているのは回遊性が高く、歩ける、そして人と出会う機会を演出する中心市街地。中心市街地活性化にむけた財政的支援は消費対策であると同時に、その働き手としての住民を確保するという意味において、大企業にとって投資しやすい地域を作るための方策でもある
- 各県における国公立大学・私立大学が共同し、経済系学部とデータサイエンスを連携させた学習課程を設置することを通じ、継続的に地域に経営人材の候補を供給し続ける体制が求められる
- 現在日本の大学進学率はG7内で最低、OECD諸国の中でも低位グループに位置している。その一因が高等教育への財政支出の国際的な低さにあることは、これまでもしばしば指摘されてきた。授業料の軽減や給付型奨学金制度の拡充、学びの場の地理的分散を進めることは地域政策のみならず日本全体の成長戦略ともなる。
- 高圧経済政策と、労働市場の流動化につながる改革